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しかし高出力化の代償は↑の画像の通り。
コンパクトさの欠片もありません。
横に並べているのは、僕が今愛用している
スノーピーク製の「地」ですが、
その差は歴然ですね・・・
もう現物が手元にありませんし
使用中の画像も見当たりませんのでイラストにて・・
このように収納ケースの蓋が風防兼汁受けになるという
秀逸な設計でした。
どーです??
いかにも「ハイパワー」って感じがするでしょ??
悪い夢はいつか覚めます。

僕はある程度自分のキャンプスタイルというものが固まるにつれ、「どー考えてもこのコンロは不必要にデカく、不必要に高出力なんじゃないか??」というごく当たり前の疑問にぶつかります。

これが人としての成熟ってヤツですね。多分。
何でも「身の丈」というものを人は大人になると知るのです。
オートバイの排気量もパワーもオッパイのデカさも「自分の身の丈にあった」サイズというものを知るんですね。

ある日を境に僕はキャンプ用の装備の「軽量・コンパクト化」モードに猛然と突入していき、もちろんコンロもその「仕分け」対象になったわけですが、そのお話はまた次回!
そうです。

僕はこのEPI製コンロに機能的には何の不満もなかったのです。

しか人生には魔がさす瞬間というものがありますね。

若い時には誰しも陥りがちなことです。
僕はその時によくありがちな「スペック至上主義」という陥穽に陥っていたのです。
お分かりですよね?
「カタログ上の数値」というものに惑わされがちな傾向というのは、バイク乗りならば誰もが経験することだと思います。

「馬力はよりハイパワーの方がいい」「排気量はよりデカい方がいい」「シリンダーの数は多いほどいい」
「オッパイはよりデカイ方がいい」等等・・・

愚かなことです。物事の本質を見誤っています。
しかし誰が僕のことを責められましょう?
貴方にも覚えがございますでしょ??

さて、その頃はもう「寒冷地ではガスコンロは不利」などという弱点は完全に克服されておりまして、この市場ではEPIとイワタニプリムスの二社がしのぎを削っておりました。
両社ともに基本性能は甲乙つけがたいものがありますので、お互いに高付加価値化で差別化を図るような競争を繰り広げていました。

よりコンパクトに。より高出力に。

そんな中でEPIがリリースしたコンロに僕は目を奪われました。
アウトドア雑誌に載っていたそれは、本体とカートリッジが別体式でホースで連結される構造になっていたのですが、これがもう見るからに「高出力」っていう感じがプンプンと漂っています。

しかも商品紹介のキャプションにはこんなことが書かれています。

「これならば中華野菜もシャッキリと炒めることが出来ます!」
と・・・

ああ・・モウダメダ。欲しいコレ・・・

本来ならばそういう物欲にかられる以前に、「お前はキャンプの時に『中華野菜をシャッキリと炒めなければならない』料理なんか作ったことがあるのか?今後も作る予定があるのか?」という問いかけがなされるべきなのですが(そもそも中華野菜って何だ?)、そんなことは一切スルーです。

キャンプの時にはほとんどレトルト物ですので、米を炊く以外はお湯を沸かすくらいにしか使用しないのですが、そんなことはどーだっていいのです。こういう時は「必要か?必要でないのか?」ということが買い物の基準ではありません。
「欲しいのか欲しくないのか?」←コレだけです。
いいですか?世の中の奥様方よく聞いてくださいね。
旦那さんが物欲に悶えている時に「本当にそれ必要なの?」などと問いかけても、何の意味もありません。
正直心の中で「チッ・・うるさいな・・」としか思っていないはずです(笑)。いや想像ですよ。あくまで。

それから僕がEPI製の新コンロを購入するまでそれほどの時間を要しませんでした。

確か¥12,000ほどしたはずです。
一般的なコンロの出力が大体2,300kcalくらいだった当時にそのコンロは圧倒的な3,600Kcalを誇りました。

レトルト物しか作らない僕にとってそれがどの程度のパワーの差なのかと言えば、1Lの水を沸騰させるのに4分が3分になった程度の差でしかないわけですが、そんなことはその頃の僕にはどうでもいいことでいした。
僕はその後数年間はこのコンロをどこへ行くにも愛用していました。
さて、前章の経緯で個人用コンロの二代目として僕は迷わずEPI製のものをチョイスしました。

25年も前のことですからさすがに購入した機種名などは覚えておりません。
不可解なことにこのコンロは今は手元にありませんので(誰かにあげちゃったかどこかに落としてきたか・・・??)、確認も出来ないのですが、今思い返しても結構よく出来ておりまして、金属性の円盤状の収納ケースに入れると非常にコンパクトになるばかりでなく、そのケースの蓋が風防兼汁受けにもなるという秀逸な設計でした。

寒冷地用カートを使用すればまず出力に不満もなく、僕はその後10年以上にわたってこのコンロをオートバイツーリングや登山など大抵のアウトドアでの遊びに愛用してきました。
火を起して猿から人へ コンロ選びの迷宮 その2