このクルクルと巻かれた黄色い物体が
「EVA」製の二代目マットです。

このマットは長年愛用しましたが、
マットと共に、この頃は自分のキャンプツーリンスタイル
というヤツがある程度完成されていた時期で、
グッズからパッキングに至るまであまり迷い無く
画像のようなスタイルでツーリングに
出かけておりました。
このマットを使用している時期というのは、自分のツーリングスタイルというかポリシーのようなものがある程度安定している時期でした。
「オートバイのキャンプツーリングの場合、あまり軽量・コンパクトさに拘泥するよりも、快適性や居住性を優先していく」スタイルを好んでおり、グッズのセレクトもそれに準じていました。

それに転機が訪れたのが、2002年の北海道行きであったことは「シュラフ編」でも述べましたが、マットも例外ではありませんでした。

あれほど「ブルジョアオヤジキャンパー」っぽいというくだらない理由で敬遠してきたウレタンマットですが、軽量・コンパクトさでは銀マットの比ではありませんし、快適性でも遥かに上です。
そんなこんなで、ついに「ブルジョア」にはならなかったものの、「オヤジ」の年齢には差し掛かってきた僕に、ついにウレタンマットを購入する時がやってきます。

そのお話はまた次回。
当然のことながら、僕は世の中には銀マットよりも遥かに快適でコンパクトな「エア&ウレタン併用マット」の存在は知っていました。
しかしそれは銀マットの価格の3倍くらいします。

まぁ3倍と言ったって銀マットなんてせいぜい2000円くらいなので、ウレタンマットとて¥6000〜¥7000なわけですが、その当時の僕にとってはマットに¥7000かけるという行為は、(サイフへのダメージ以上に)「ケーッ!!ウレタンマットなんてブルジョアキャンパーの使うもんじゃねぇかすっとこどっこい!こちとら金が無ぇからキャンプしてんだよ!マット如きに¥7000もかけらるかってんだ!」という拗ねた心情に火をつけてしまっていたんですね。

我ながら面倒くさい性格です。

そのくせ使っている銀マットの消耗ぶりに、新しいモノを物色しだせば「今さら銀マットでもないよなぁ」という日和った感情も芽生えてきます。

そんなある日のこと。

よく顔を出すバイク用品屋さんにクルクルと巻かれた黄色い物体が陳列してありました。

近寄って手にとってみればキャンプ用マットのようです。
うん?何か銀マットよりも圧倒的に柔らかいぞコレ。大きさは一緒くらいか・・・
素材表記を見ると「EVA」と記してあります。まぁウレタンスポンジのことですね。
そんなに特殊な素材でもないんですけど、明らかに銀マットよりは「ワングレード上」な雰囲気がします。

そのお店の朝から晩までハイテンションな店長に「これって銀マットに比べてどう?」と聞いてみると、「もぅ全然違うよぉ!!」との答えです。
今思い返せばこの店長は何を聞いても「全然違うよぉ!」と言うのが口癖だったのですが、自分では物凄く理屈っぽい商品説明をする店員のくせに、こういうシンプルな接客売り文句に案外コロリとヤられてしまうのです。

価格は¥3800くらいだったと記憶しているのですが、価格面でも「銀マットじゃ安っぽいし、ウレタンマットはブルジョアオヤジっぽい」という僕(面倒くさいヤツ・・・)の「落としどころ」としてはちょうどいいものでした。

寝心地は銀マットよりも数段柔らかく快適だったのと、表面素材が滑りにくいので、傾斜のあるテント場でいつの間にかマットの上から滑り落ちてた・・なんてことも起こりにくくなかなかの優れモノでした。

このマットは10年近く使いました。


笑いながら眠る男。
28歳くらい。
表面が剥がれ、ほとんど青マットと化している「銀マット」。
最初に結論めいたことを言ってしまいますが、気温に対するシュラフのセレクトさえ適切ならば、キャンプ時の寝心地というのはほとんどマットの質によって左右されると言い切ってしまっていいでしょう。

ついでにもう一つ結論を言ってしまいますと「マットの寝心地はほとんどその価格に比例し、収納時の大きさは反比例する」とも言い切ってしまいます。

要するにお金を出して高いマットを買えば、寝心地と収納性が一挙両得ですよ・・・というわけです。

にも関わらず、オートバイでキャンプツーリングを楽しんでいるライダーのほとんどは所謂「銀マット」を使っています。

理由は色々あるとは思うのですが、

@圧倒的に安価である(¥1000〜¥2000程度)。

Aホームセンターでもどこでも手に入る。

B世の中に銀マット以外のキャンプ用マットがあることを知らない。

C何となくアレをくくりつけて走ってると旅人っぽい。


こんなところでしょうか??

かく言う僕も、キャンプを始めてからの年数のうちの半分くらいは銀マットを使用しておりました。

理由はやっぱり上のようなことですが、あんまりマットについて深く考えることもなかったのでしょう。
「銀マットで充分じゃん」と思って使い続けていました。

しかし僕の銀マットときたら、銀マットのくせに長年の酷使で銀のラミネートはほとんどが剥がれ落ちており、焚き火やタバコの灰で穴だらけという有様でした。

下部構造は上部構造を規定する マット選びの迷宮 その1